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残日録

日々の出来事や思ったことをひたすら綴ってます。気が向いたら、コメントとかどうぞ。

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数値計算の怖さ。

◆ 最近感じることの一つに数値計算 (numerical simulation)の怖さというものがある。そもそも、数値計算をするというのは解析的に解くことができないからだけれども、数値計算をやる上で大事にしないといけないことを忘れてやっている人が多い気がする。もしかしたら、ソフトウェアという括りで見ても、同じことが言えるのかもしれない。どういう条件下できちんと答えが出て、どういうふうにしたら、変な回答が出るかもしれないということを理解できないまま使っている人がいるというの事実が怖くてならない。また、インプットデータが間違っていれば、使い物にならないのは言うまでもない。前にも書いたかもしれないけれど、エンジニアがよくいう正に「Garbage In, Garbage out」。

◆ では、どうするかというと、解析的に解くことができる問題を数値計算でモデル化して、チェックしていくというすごく単純なことをするわけで。どのくらいのエラーが起きていて、タイムステップや、グリッドに調整が必要なのか細かく見ていくわけで。もちろん、数値計算する上で計算が安定かどうかを最低限抑えている上でね。解析的に解く際も大体はある条件下(assumptionを立てて)で解けるようになっているので、条件を満たしているのかどうか必ずチェックするようにしないとだめです。

◆ こんなことを現場で実際の地下での油、ガス、水の流れのデータを細かく分析するようになって、改めて感じるようになったわけです。すごく基本的なことなんだけど、急いでやらないといけなかったりして忘れがちになってしまいます。必要十分なデータがそろっていない中、解釈していかないといけないので、解釈する際に使うツールは最低限エラーがないように。。。

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若干上向き?

◆ 少しずつだけど、石油業界の景気が上向きになってきた気がしなくもない。先週は特に値を戻して、WTIが50ドル近くまで上がった。

◆ リグ数も4週連続(5週?)で増えており、最近、サービス会社の接待も増えているような気がする。先週金曜日、同僚とランチでハンバーガー屋に行った時も、お隣のステーキ屋さんが繁盛しているのを見て、接待が増えているんだと、改めて実感したところ。お昼から大盤振る舞いで実費で行く人なんて少ないはずだからね。

◆ 今回の上昇は、OPECが生産量を抑えるのを決めるかもという憶測があるからという、根っからの噂。はてさて、どうなんでしょう。

◆ うちの会社は3回目のレイオフ。もう行われる日取りも発表され、どきどきな毎日。生き残れたとしても、今後、4回目、5回目というのは免れることができないんだろうな。早く、値よ、もっと高い位置に戻ってくれ~。

ではでは。

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リグカウントが増える

◆ ここ最近50ドルちょっと下くらいの値で推移しているWTI価格。その影響を受けて、先々週と先週と2週間続けて、リグの数が増えた。リグというのは、井戸を掘るための施設で、動いている数が増えているということは、生産に向けて、新たに井戸を足しているということです。これからぐいぐい上がるという予想なのか、それとも、ペイするということからなのか。

◆ それを受けて、供給過多になるのではと、また、価格は落ちていってます。

◆ 後になって、いろいろと分析しないとわからないことだけども、80年代の大不況の時も厳しかったけど、今回の方が厳しいのではという見方もあるようです。理由は、80年代の時のものと比べると、それまでの価格がかなり高かったため、かなりの投資をしてしまったこと。石油開発という事業は先行投資額がかなりで、そして、実際に生産して、キャッシュが戻ってくるまでに結構時間がかかるんです。2012年~2014年にかけて、大きな投資をした企業が苦しんでるわけです。中には、ものすごい大きな投資を過去3年ほどしてきたはずなのに、なぜか不況なんて関係ないとばかり、この大不況時でも次々と新人を雇っている企業もあります。不思議なものです。

◆ 石油系の研究を主にしているような研究機関でも人員削減が始まったりと、予想だにしなかったことも起き始めています。本当に、将来歴史の教科書ではどのように描かれるのでしょうか。もしかしたら、全く取り上げられないようなことになるかも!?

◆ いつレイオフが再開されてもおかしくない状況ですが、結局、やれることを精一杯やるだけです。うれしいことに仕事はたくさんあるので、ひとつひとつ大事に。そして、同時にステップアップのために、新しい技術、過去にやられたことを学び、こつこつとデータベースを作り、統計的に分析を重ねるという、当たり前のことを日々やるだけです。まあレイオフされたら、運命と思い、日本に帰るだけ。2度の大きなレイオフのラウンドを通過して、至った境地です。

ではでは。

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まだまだ厳しい。

◆ 厳しい状況が続くこの石油業界。1バーレル60ドルになるかならないかくらいで推移していたのに、ご存じのように、先日、50ドルを割りました。リグの数がまた増え始めたせいか、それとも、来年、また増やそうとしているのが市場に影響を出したのか、確かな理由はわからないけれども、非常に安いです。安すぎます。なかなか上がらないせいもあってか、某大手C社も大量解雇を公に発表。うちの会社もどうなることやらです。職のない人達で向こう2年くらい溢れることになるんでしょう。

◆ ここまで来ると、優秀な人材であるかどうか、去年の成績はいくらであるかなどは関係なく、会社を回すのに最低限必要な現場の人数に焦点がきっと当たるんでしょう。まあ会社がつぶれたら元も子もないので人を切るというのがアメリカのやり方ですね。だから、どんなに大きな会社に勤めていても、“安定”した職ではないわけです。とはいっても、最近は、日本もレイオフするのが普通になってきたので、安定しているのは公務員だけなのかもしれないですね。・・・でも、安定した職がいいのがどうかは人によりけりでしょうか。

◆ 人は減っても、仕事の量は変わらないので、忙しい毎日です。年々こなせる仕事のレベルもアップしていくのに従い、増えるのも影響して。入社1年目にしっくりこなかったことも、経験的にも、数学的にも納得がいくようになってくるもので。早い話が一年目はそこまで深く考える余裕がなかったわけです。妻には、このからくりは理解できなかったようですが。。。

◆ この厳しい世の中で生き抜くためにももっと公私ともに頑張らねばと思う毎日です。今年はまともに休んだのはFredricksbergに行った一日のみ。早く家族とゆっくりしたいです。体力的にも精神的にも疲れがたまる一方な2015年です。妻の支えと娘の笑顔がなかったら、どうなっていたことやら・・・。

ではでは。

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原油価格暴落。

◆ 言わずもがな、原油価格はかなり低い所にあります。それに応じて、どこもレイオフ、レイオフ、レイオフ・・・です。サービス会社Sは、レイオフ第一段として、9000人解雇。同じく、サービス会社Hは6000人解雇。今年、Hに吸収合併されるサービス会社Bはもっとたくさんになるのではと噂されています。これはもちろんアメリカの中での数字ではなく、世界でのお話。70年代初頭より続く、北海の油田の方は厳しくなってきているようで、ノルウェーのスタバンガー、スコットランドのアバディーンは共に、どの会社もかなりの数のレイオフがあったようです。スタバンガーでは、それに伴い、失業者が1万人を越えたという話を人づてで聞きました。

◆ オペレーション会社も同様のようです。自分の働く会社もレイオフが行われると発表され、誰もが明日どうなるかはわからないような状態が続いています。自分も明日以降ご飯が食べていけるかどうか不安な毎日です。

◆ こういった原油価格の暴落は定期的にあり、その度に、大量の人々が職を失うことになるっていうのは、わかってきたことで、会社の中堅以上の人は、きちんとそれに備えた行動をとってきてるし、なにをすればいいかわかってるようなので、動揺してる様子はまったくありません。やはり、今までこのような暴落を経験したことのない若手(自分は年齢は中堅だけど、大学に長く滞在してしまったため、未だ若手です)があたふたしてます。今回の暴落を教訓にして、糧にしていくんですね。生き残った場合ですが・・・。

◆ アメリカの会社はこういう不景気になると、ひとまずレイオフ。それから、昇進、昇給の凍結。日本だったら、まずは給料を減らそうという発想になりそうですね。実のところはわからないですが、自分が思うに、(1)給料を減らされたら、できる人が他の会社に移ってしまう、(2)これをいい機会にできない人の首を切ってしまおう、っていうのが理由なのではないかと。早い話が、会社に“使える”って思われれば、残れるんですね。あとは、日本の会社もそうであるように、上司との関係性も大事。上司が求めるような仕事をして、その上司がその上司の上司に評価されるようなものをもっていないと、生き残れないということ。どちらかというと、上司が部下を守るような構図はこっちの会社には存在しないように思います。上司が自分の出世にこの部下が利用価値があるかどうか問題のようです。

◆ 最後に、日本で一番考えられないのは、新規雇用も凍結してしまうこと。自分が働く会社は3年ほど新規雇用は見合わせて、自分が入社の試験を受けたのは解禁になってすぐのこと。ある意味、自分はラッキーだったのかも。・・・ラッキーであったかどうかというのは、やはり、“働く”ということから完全に引退するときにわかるのでしょうか。

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石油のお話① 岩石の分類

◆ 地質学では、岩石を大きく分類すると、火成岩、堆積岩、変成岩という3つに分ける。それぞれ、

  * 火成岩・・・マグマが固結してできた岩石。
  * 堆積岩・・・流水や風により、岩石の破片や生物の死骸が集積して、“堆積”したもの。
  * 変成岩・・・高温高圧下で構成鉱物の組み合わせや組織などが変化してできた岩石。

◆ 石油工学の分野で主に相手してるのはもちろん堆積岩。石油は動物の死骸由来なので。ちなみに、石炭も堆積岩のはずで、石炭は植物が変化してできたものですね。石油工学では、岩石の分類というと、砂岩(sandstone)、炭酸塩岩(carbonate)、頁岩(shale)の三つです。

  * 砂岩・・・石英などが主となった岩石。最も一般的な貯留岩(石油が貯まる岩)。
  * 炭酸塩岩・・・石灰岩(limestone)や苦灰石(dolomite)などが主となった岩。
  * 頁岩・・・細かい粒子でできた岩。粘土(clay)が多く含まれてる。

砂岩および炭酸塩岩は、貯留岩で、頁岩でできた石油が移動して、貯まる岩で、基本的には、石油はそこから採られていたわけです。昔から、頁岩で石油ができてるとわかったんです(そのせいで、ソースロック(source rock)と呼ばれてます)が、細かい粒子でできてるせいで、石油がなかなか流れてくれないので、採ろうと試みてきたけど、うまくいかなかったのと、採るのに、お金がかかったせいもあって、現実的に厳しかったわけですね。それが2000年代に入ってからシェール革命なるもの(ジョージ・ミッチェルさんというテキサス農工大学で学士を取った方の奮闘によって技術的に採るのが可能になった)と、高騰した油価で現在アメリカでシェールの開発が活発になってきたわけです。

◆ はてさて、今後、原油の値段がこのまま下落し続けるとどうなるんでしょうか。シェールは開発を続けることができるんでしょうか。

ではでは。

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シェールからの生産

秋田県で日本でもシェールからの石油生産が始まったと発表された。そして、日本での生産量の1~2%だと、なんだかたくさん生産してるかのような書き方。そして、また、代替エネルギーにカテゴリー分けしてる、ニュースをカテゴライズした人の不勉強さにはちょっとどうかと思いました。現実はこの記事(「エネルギー白書2012版」)にある通り、日本は99.6%を輸入で頼っている身。その1~2%がどれだけ少ないかわかるはず。読んでる人に淡い期待を抱かせるのはどうでしょうか。どれだけ採れる見込みかももちろん発表されたわけでもないし、他にもたくさん石油またはガスがありそうなshale playがあるなら、まだしも、それもわかっていない段階でここまで書くとは。ただでさえ、hydraulic fracturingは多額なお金がかかるんだから。もし、石油が大暴落したら・・・。

なんとなく甘い見積もりな気がしました。とはいっても、もちろん、このフィールドのことは知らないし、実はたくさんあるかもしれないので、わかりませんが。まあ早い話がそんなに簡単にうまくいきません。

ではでは。

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プロフィール

H N: かばでぃ(kabadeli)

11年住んだアメリカテキサス州を離れ、2017年4月よりノルウェーに駐在中。日本から遠く離れても、阪神タイガース、アストロズを熱狂的に応援しています。

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