◆ 前回は、石油の岩石の種類について書いたけど、今回は、自分の専門ではない、探鉱の話を。
◆ 技術が飛躍的に進んだ今でも新たに見つかっていない石油を掘り当てるのは超難しいのが現実です。もちろん、かなり石油を掘り当ててしまっているからというのもあるけど、新しいのをみつけるというのは難しい。近場に同じような環境で同じような地層構造をしてるから・・・みたいなことがあれば、確率は格段に上がるのだろうけれど。前述の通り、そういうのはきっとかなりやったんでしょう。
◆ 一番初歩的な探し方はなんといっても、音波をつかったもの。岩石やら流体やらにより、波の速さは変わるので、それを解析するっていうことですね。その音波を解析して何を探すのかというと、例をいうと、
背斜構造です。リンクにもあるように、地層がくねっと曲がったような構造で、御椀を逆さにしたような形。油が水に浮くように、油の比重は水のそれよりも低いので油は何もなければ水を押しのけて浮かび上がっていくわけですね。だから、それを貯めるような構造が必要。御椀に当たる部分は流体が流れにくい頁岩です。音波探査をする人たちはそれを探していくわけです。ちなみに、断層なり、他の構造でも貯まります。とはいいつつも、その構造があれば、必ず石油があるというわけではないので、難しいんですね。
◆ さて、その音波はどうやって発信するのでしょうか?案外、原始的です。現在、どういうものを使われているのか詳しいところはわからないけれど、自分が大学時代に見たビデオ(DVDではありませんでした)では、トラックを使って音を思いっきり作っていて、正直、単純すぎて、たまげました。ネットで見つけた短い動画を:
◆ 地上ではこんな風にトラックを使うけど、海上ではジオフォンなるものを使ってます。これもなかなか面白いです:
◆ このようにターゲットを掘ってみて、一番ありそうなところをまず掘ってみるんですね。それで、当たればラッキー。当たらなければ、アンラッキーというわけです。彼らがうまいこと当てないとエンジニアの出番は来ないわけです(掘削屋さんはもちろん掘るので関わりますが)。いい探鉱屋(地質屋さんと音波の専門家さん)がいる会社は大儲けってわけですね。
過去の石油のお話:
石油のお話① 岩石の種類[1回]
PR